ピンは転じてロクとなれ!

いつもコロコロ、ダイス転がし 四畳半のブログ

自分と少女0

自分の名前はネオン、上は職業というか身分の関係上あまり決まってない。それで肝心の身分だが、死神である。と言っても純粋な死神ではなく半分人間である半神と呼ばれるものだ。死神になった経緯はほぼ偶然、自分は霊感が強いってだけで死神のトップにスカウトされる、いや半分強制と言った方がいいかもしれない。でも結構長くやってるが決して悪い環境で働いてるわけじゃないからそれはそれで良しと諦めてる。軽い自己紹介はここまでにして、これからお人好しな自分が話すのは12年前に拾った狼娘との生活である。

あてんしょん

・一次創作

・自己満足

・文法ミス

・誤字脱字

・一部エロ

以上の事が許せる人のみ↓

 

 

 

12年前、その日の夜は冬なのに珍しく雨が降っていた、ただでさえ寒い冬なのに冷たい雨が自分の体を叩きつける。そんな中で自分は先輩のパシリで鍋の具を買わされていた。急いで帰ってる途中、か弱く誰かの助けを求める魂の音がした。
自分は死神になってから音に関するものに長けるようになった、どんなに高い音でも聞き取り、逆にどんな高い音も発せるようになってた。お人好しの自分はその音を放っておくことが出来なかった。音に向かって夜の美しいネオンランプの光も届かない裏路地を進む。
音の発信源に着いた、そこにあったのボロ布を纏った小さな何か、寒さに耐えるように震えてるようだった。自分はボロ布に包まってるモノを確認せず抱えて先輩の家に急いで帰った。
 
 
郊外にある公道の脇に建つ3階建ての一軒家、コンクリートの壁とガラス張りがシックな感じを漂わせる。ここが先輩の家である、正直一人暮らしの先輩にはあまりにも勿体ない。玄関を開けてもらうためにベルを鳴らす。
玄関が開くとひょろりとした黒髪の長身の男が出迎えてくれる、彼の名前はロクブテ、いつもにやけ顔を忘れず人をおちょくることを怠らない非常に不真面目な先輩で自分が6年間仕事を一緒にしてるパートナーである。
「おっおかえり…なんか俺が思ったものとは違うものを持ってるな」
先輩はいつもはめてる黒い手袋でボロ布を指し、興味を示す。
「えっと…裏路地で拾ってきました」
「へぇ…ちょっと見せな」
先輩はボロ布に包まってるモノを奪い取りボロ布を剥ぐ、中身はなんと濡れた土みたいな茶色の毛並みを持った半獣人の少女でであった。その少女は首輪以外に身に着けてるものは何もなく、生きてはいるが反応がない。
「面白いものを拾ったな、ロリコン
「別に中身を見て連れてきたわけじゃありません」
「そんなことをしなくたって俺たちには死神の眼がある」
先輩の言う死神の眼というのは生物を見ると空間にその生物の生まれた日、生きた時間、死までカウントダウン、生死に関する数字が見ることができる、死神という仕事の関係で必要になる時がある。だけど自分は…
「先輩は自分が仕事以外で眼を使わないことくらい知ってますよね、そういうの気が引けるから」
「それじゃ音がしたから拾った、そうだろう」
返す言葉がない。
「中身を確認せず、考えもせず、勢いだけでここまで持ってきた、本当にどうしようもないお人好しだな、まぁそこがお前のいいところなんだけどな」
自分は買い物袋を持って半獣人の少女を抱えて先輩を一緒に鍋のあるリビングに入る。
「ネオン君は鍋の具材を仕込んでおいてね、俺はちょっち死んだ魚の目をしたこいつを見ておくよ」
「変なことだけはしないでくださいよ」
「何、気にしてるのかロリコン
「……」
これ以上ロリコンと弄くられるのは嫌なのでここで言葉を返すのをやめた。
「さぁて、どうしようかな…まずはこの首輪から外してみるか」
なんも変哲もない首輪を外す、すると少女は突然と呪いが解けたかのように態度を変えて先輩に怯え震える。
「おい、ネオン」
「何ですか先輩」
振り返ると先輩が少女を自分に向かって放り投げる、後ろでぐつぐっと沸騰してる鍋をひっくり返すわけにはいかないのでうまいことお姫様抱っこでキャッチする。
「ちょっと、先輩何をするんですか?!」
「ネオン、子守を任せた」
「いやいや投げなくてもいいだろ!」
「なんか首輪を外したら我に返ったと言えばいいのか、とにかく任せた」
「あ”ぁ?!えっと…」
あたふたしながらも少女を見る、目が合うなり恥ずかしがって顔を隠す、自分としてはもうちょっと別のところを隠して欲しかった。
「あの先輩、何か服あります?」
「俺は男だから女物はないぞ」
「そんなんじゃなくてジャージとか大きいラフな服」
「あいあい、その前に体を洗って欲しいぜ」
着せるものについて話していると、ぐうぅぅぅっと腹の虫の声が話をさえぎる、自分と先輩はお互いに顔を合わせて無言で犯人でないことを確かめる。そして少女のほうに視線を移す、真っ赤な顔を隠す。虫の飼い主は少女であると確信した。
「具材の仕込みは俺がやるよ、ネオンは服は三階の物置部屋でも見て探してくれ」
「は、はい…」
自分は少女を抱たまま三回に向かい、先輩は途中まで仕込んでた具材を変わりにやる。このあと少女も混ざって鍋を食すのだが4割は少女が食べたのはまた別の話である。
 
 
自宅は先輩の住む郊外から少しは外れた場所のマンション、近くに便利な交通機関はないが車さえあればなんだ不便しない場所に住んでいる。少女は自分が預かった。
「ようネオン、あれからどうだ?」
「なんていうか…あんまり苦労はしてない」
半獣の少女を拾った日から3日、何かと苦労するかと思ったが以外にも教養はあったため苦労はしなかった、むしろ餌付け(=鍋)が原因なのか懐かれてしまった。何をするもずっと傍に居る。今は膝の上でぐっすりと眠ってる。
「そうか…それでこれからどうするんだ、この娘」
「拾ったのは自分に責任があります、自分が見守ることにします」
「そうだなロリコン、今の御時世は亜人種に優しくないからねぇ」
自分達の住む世界というのは様々な人種が存在する、そのためいろいろな社会や文化が混在しており大変である。この時はまだ多数派の人間を中心に社会が動いていたため少数派の亜人種の意見はあまり通りにくいのである。また、少女みたいな亜人種は愛玩や奴隷として裏社会で流通することがある。そういったことから少女を守るために預かることにした、決して幼女だからというそんなやましいことで預かってる理由ではない。
「ふあぁ…おはよう、ネオン」
「あっおはよう、フルウちゃん」
眠ってた少女は起きるなりすぐに自分に抱きついてくる。
「…なぁネオン、その名前はなんだ?流石の眼でもそういった個人情報はわからないだが」
「自分が付けました、いい名前だと思うのですが」
「あぁうん、どうせお前のことだが狼(ウルフ)を逆さに呼んだだけだろ」
「ははは…ご名答」
「もう6年くらいコンビ組んでるがその安直なネーミングセンスはお見通しだ、死神になって新たに名前を名乗るってなった時に自分の能力である音を二つ並べてネオンって名乗ったくらいだからな」
「そういう先輩だって自分の能力の手袋を逆さにしてロクブテ、そういう意味じゃないんですか?」
先輩の能力は手袋を自在に操ること。先輩には両手がなく、代わりに能力で手袋を動かしいる。ちなみに先輩は右手をマジュリティ、左手をマイノリティと呼んでいる。
「残念、手袋だからロクブテじゃないんだなぁこれが」
「えっそうなんですか、それじゃ本当はどういう意味なんですか?」
「どうしようかなぁ教えようかなぁ、でもそんなことより大事なことがあったなぁ」
「話題を変えないでください」
「そんなこと言ってる場合じゃないぞ、有給を三日もあげたのだからいい加減に顔をみしてくれないかなぁってハデスちゃんゲキおこプンプン丸だったぞ」
「ぐっ…」
自分の仕事してる部署は自分を合わせて六人、非常に少ない人数で仕事をしている。そのためほぼ毎日が仕事である。仕事の内容は魂の運搬や管理でそこまで難しくはないが少ない人数で毎日行わないといけないのであまり有給をくれません。今回は日々の行いということで有給が貰えたのですが流石にこれ以上は休めないようだ。
「でも誰かに預けて貰うってことはできないし…」
「首輪を使っておとなしくして貰ったら?」
「それは嫌です」
確かに首輪をつけてる時は大人しかった、自分が仕事に行く上ではすごく助かるかもしれない。でも自分は望まない、それは少女の自由を奪うことになる。人の権限を奪うようなことは好きじゃないし、少女に何か危険な目にあった時に何も抵抗できないのはマズイからだ。
「はぁ…それじゃ検証だけはしよう、何時間フルウちゃんがお前から離れていられるか、一応仕事も出来るしな」
「でもフルウのことが心p(ry
「それはこの俺様が仕事場に釘付けにしたやる、いいな」
「…はい」
こうして無理やり仕事に連れてかれるのであった…
 
あれから三日後、自分は体を氷付けにされていた。先輩が必死にその氷を砕いているところだ。
「すっかりボロくなったな」
「はい、甘えん坊さんのおかげで」
3日間の検証で2つほど発覚したことがある。まず一つ目に6時間以上離れているとダメなことである。一時的にだだこねて離れません、12時間も離れると引っ掻いたり噛んだして結構痛いです。2つ目に彼女は2つの能力を持っていること、1つは獣化能力、2つは氷結能力、特に氷結能力は厄介であった。出掛けようとした時にこれで足止めを食らうのである。しかもかなりの強度で先輩に助けを求めせざる負えない事態になるほどである。
「それで首輪を使う気になった?」
「使う気はない!」
「…長生きしろよ」
先輩に心配されながらこれから少女を育てることを決心したのだ。
 
あとがき
今回は自分のオリキャラのホロケウ=フルウとネオンを中心とした死神ズで繰り広げるコメディ系小説を創作していきます。詳しい設定に関してまた別の記事でまとめると思います。どこまでやるかは分かりませんが楽しんでいただければ何よりです。
こうやってフルウとネオンの同居生活が始まった、このあとどういう展開を繰り広げるのか、お楽しみに!