ピンは転じてロクとなれ!

いつもコロコロ、ダイス転がし 四畳半のブログ

自分と少女2

お人好しな自分が拾ったのは狼の半獣人の少女、とても可愛く甘えん坊で少々厄介な彼女との同居生活の話である。


あてんしょん
・一次創作
・自己満足
・文法ミス
・誤字脱字
・一部エロ

以上の事が許せる人のみ↓

自分と少女と「トラウマ」


「ネオン、もっとフルウのことをよく知りたいと思わないか?」
また先輩からのおせっかい、無視するのもアレなのでおとなしく聞く。
「まぁ知りたいと思ってますけどこれ以上、何か知ることがあるんですか?」
「フルウちゃんのことをペットのように言うかも知れないが飼い始めたらまず予防注射とか健康状態を見るのが普通だろ」
確かに、先輩の言ってることは何も間違っていない、しかし今まで何事もなく過ごしてたために気づけなかった。
「でもどうするんです?フルウには身分証明書みたいのがないわけだし、こういう亜人種を見てくれる病院なんてあるんですか?」
「あるにはある、しかし身分証明書…そうだ、ドクターに頼もう」
「ドクター?」


自分や先輩みたいな死神は普通、現世に彷徨い続ける魂を冥府に導いたり、たまに悪霊と化した魂と討伐することで生計を立てている。しかし世の中には物好きな死神も居まして人間社会に溶け込み、エンジュニアや記者、探偵などの副業もする死神もいる。それで先輩の言うドクターというのは医者らしく自分と同じ半神で死神になる前はそれなりの名医だったらしい。
「あぁとりあえずだ、俺の名前はツクダだ、よろしく」
「ネオンです、よろしく」
丸眼鏡に無精髭、若干痩せこけた感じで年齢は30代後半、目つきが悪く自分の膝の上に乗ってる少女が若干怯えてる。
「それでロクブテから話は聞いてるが診るのはお前、の膝に乗ってるお嬢ちゃんだな?」
「はい、そうです」
先輩から腕はいいが少々危なっかしい人だと聞いている、闇医者をしいるようで金さえ払えば怪我の原因には何も言わないため、表沙汰にできない怪我を負った者がよく頼っている。
「あぁ金のことは心配するな、ネオンに請求するから」
「はぁ…」
あとで少し荒れそうだ。
「とりあえずこれだけは言っておくが俺は亜人種を診たことがないから正しい診断が出来るとは限らない、それだけは承知してくれ」
「はい分かりました」
「それじゃお嬢ちゃん、まず大きく口を開けて」
「あぁ…」
「…眩しいけど我慢ね」
口、目と調べていく、医者に診てもらう時によくされる行為だ。
「それじゃ服をめくって、冷たいと思うけどびっくりしないでくれ」
「っ…!」
「背中をみして」
「……」むにゅ
「ふむ、年齢の割にはここの発育はいいな」
自分は先生の行為にとっさに平手で叩いてしまった。
「何さりげなく患者の胸を揉んでるんですか?!」
「あたた…いや失礼、出来るだけ正しい診断を」
「今のが診断で必要なことだったんですか?!」
「普通の診断にはいりませんよ、ただネオンの注文でそのお嬢ちゃんの精神状態を確かめるように言われてるんだ」
「さっきのがどう関係あると?!」
医者が彼女に対してあまりにもありえない行為に自分は興奮していた。
「あぁ一回落ち着きなさい、今から説明する」
「っ…それでさっきのはどういうことですか?」
息を整えて真剣に話を聞くことにした。
「まぁさっきのはなんで、胸を触られたらどう反応するか試したんだ」
「……」
あんまりな診断方法に呆れてしまう。
「年齢はざっと12歳、俺の見解ならこの歳にになったら反抗の一つくらいはすると思ってる、だけど触ってからとっさに突き放すようなそぶりはなし」
「つまり何が言いたいんですか?」
「慣れ…毎晩お嬢ちゃんをベットの中で」
「そんな趣味はありません」
自分はこれに関しては何度でも言う、ロリコンではない!
「でしょうね、だとすると拾う以前からこういう経験をされてると考えてもいい、まぁ確証はないけど」
「じゃなんで…」
「念を押しましたよ、正しい診断が出来るとは限らないって」
「あまりふざけたことしてると怒りますよ」
「おぉ怖い怖い…さて、続きをしようか」


その後は体重、身長、視力、握力、レントゲン…聴覚だけは耳の形状が特殊のためできなかった。
「これが亜人種か…今度、身体測定をしたらすごい数値が出るんだろうね」
「それじゃ異常は…」
「今のところナシ…まぁなんだ、予防注射くらいはしといた方がいいかもね」
「……!」
先生が注射を取り出した瞬間、少女は先生に向かって強烈な冷気を放った。避けれずまともに喰らってしまい凍ってまともに動けない。
「ふぅ…ふぅ…」
少女は髪と尻尾の毛を逆立て先生に攻撃の意思を見せる、それは何かを拒絶するかのように。
「はぁ…診療所で暴れないでくれるかな、お嬢ちゃんは注射は嫌いかな」
「ウアァァァア!!」
少女は腕を大きな爪に変化させて襲い掛かる、突然のことに自分は動けないでいた。だが先生は冷静でいた、振り下ろされる爪が迫りかかろうとしているのに不敵に笑っている。
「こいつならどうだ?」
「ガアァァァア!!」
爪が凍った体に接触する、表面の氷が砕かれたが爪は先生には深く刺さらなかった。先生は体についた氷を払うって立ち上がる。
「ウグ、あ…」
「俺の瘴気を喰らってまだ動こうとするか、この濃さならそこら辺のゴロツキは既にKOなのに、悪い気に対する免疫が強いんだな」
先生の周りに紫色のモヤが放たれていた、そのモヤを喰らった少女は動きが徐々に鈍くなっていく。
「さて、いつまでも付き合ってられないから、これでおしまいのにさして貰うぞ」
白衣の懐から拳銃を抜く、そして弱ってる少女に向かって発砲、見事に命中して完全に少女の動きが止まる。
「おっと、怪我が増えては困る」
倒れる少女を受け止める。
「だ…大丈夫なんですか?」
「んん?大丈夫だろ、俺の瘴気で元気に動き回れるならこんな麻酔どうってことないだろ」
少女から麻酔弾を抜いて見せる。
「それは医者としてどうなんでしょうか…」
その後、荒れた診療所を片付けされるのであった。


「えぇ最終的な診断結果を言い渡します、身体には異常なし、ただし精神は不安定そのもの」
自分は完全に怯えきった少女に抱かれながら先生の診断結果を聞いてる、怯えてる理由は先生が少し手荒なことをしたからである。かわいそうとは思ったが少女のことを深く知るために先生に任した。
「片っ端からいろんな形状の薬を見せたがどれも拒絶、こりゃ完全にトラウマだな、更に言うと瘴気に対する免疫と麻酔の効果がすぐに切れたことから多分オーバードーズの経験があるかも知れないね」
「あの…どうすれば治るんですか?」
「カウンセリングや薬物療法、あとはわざとトラウマを掘り返して改善する方法もあるが…どれがいいんだ?」
自分は少し考えた、本当に治せるなら頼みたい、でもそれが本当に少女のためになるのだろうか、答えようとしたが言葉が詰まる。
「まぁ専門じゃないから今どうこう出来る訳じゃないから、時間が解決してくれるかもしれない、それより俺はオーバードーズによる身体への影響が心配だ、正直異常がないのがおかしいくらいだ、出来れば精密検査したいが…なんだ、また暴れて高いの壊されえても困るから次回までにそのお嬢ちゃんをどうにかしてくれ」
「ぜ、善処します…」


「どうだった?」
「とりあえず身体は大丈夫です、ただ…」
家に帰ってからも少女はずっとしがみつき離れない。先輩はその状態の自分をからかう。
「また一段とモテモテだねぇ、何があった?」
「トラウマって言われました、あとオーバードーズの可能性もあるって」
「そうか、それは大変だね…これからどうするか決めてる?」
「少しでもトラウマを軽減していきたいと思ってる、先生が精密検査のときに機具壊されても困るからって」
「がんばれぇ、あっ伝えなきゃいけないことがある」
「なんですか?」
「来月は半分くらい俺は休むから俺の分もよろしく」
「…はい」
こうやってまた一段と少女に懐かれるのである、トラウマより甘えん坊なところをどうにかしなきゃいけないと思った一ヶ月であった…


…続く